あづきかゆは作られた。それは、お米と小豆を入れて圧力釜で10分だよ

あづきかゆは作られた。それは、お粥にゆで小豆を散らして、鹽で風味をつけたものであつた。

老人の田舍のごちそうであつた。眼をつぶつて仰向のまま、二匙すすると、もういい、と言つた。ほかになにか、と問はれ、うす笑ひして、遊びたい、と答へた。

老人の、ひとのよい無學ではあるが利巧な、若く美しい妻は、居並ぶ近親たちの手前、嫉妬でなく頬をあからめ、それから匙を握つたまま聲しのばせて泣いたといふ。


盜賊

ことし落第ときまつた。それでも試驗は受けるのである。

甲斐ない努力の美しさ。われはその美に心をひかれた。

今朝こそわれは早く起き、まつたく一年ぶりで學生服に腕をとほし、菊花の御紋章かがやく高い大きい鐵の門をくぐつた。おそるおそるくぐつたのである。すぐに銀杏の並木がある。